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2012年11月 9日 金曜日

一人医療法人

スタッフの渡邉です。今日は、一人医療法人についてです。

個人開業医の先生方のなかには、医療法人化を考えている方もいらっしゃるので
はないでしょうか。

   法人化するきっかけは人それぞれだと思います。
   「社会的信用を高めたい」
   「子供に事業を引き継がせたい」
   「分院や介護保険事業への進出を計画している」
   「年々所得が増えている」             などなど・・。

  そこで、「一人医師医療法人」のメリットと注意点を確認してみましょう。
    ※「一人医師医療法人」とは、「医師若しくは歯科医師が常時1人又は2人勤務
       する診療所」を運営する医療法人をいいます。

 ≪メリット≫
  1.社会的信用が高まります
      これは、法人会計を採用することで適正な財務管理ができ、金融機関等への
      対外的信用が向上するということです。
  2.経営体質が強化できます
      これは、まず社会保険診療報酬の源泉徴収がなくなるため、資金の有効利
      用ができるということです。
      また、事業承継・相続対策等を計画的に進めやすくなり、さらに、分院や介護
     保険事業等への事業展開の拡大が可能になるという点もあります。
  3.節税効果が期待できます
      これは、所得税の「超過累進税率」から法人税の「2段階比例税率」を適用す
      るこ とにより、税負担を軽減することが可能だということです。
      また、院長先生のほかに院長夫人等の家族を役員とすることで、その職務に
      応じた役員報酬の支払いができ、所得の分散がはかれます。
      さらに、一定の契約条件を満たせば、生命保険契約等の保険料を経費にす
      ることも可能です。

           と、いいことずくめのようですが、注意したい点もあります。

 ≪注意点≫
  1.経営上の注意点
    ・医療法人の付帯業務禁止規定によって、業務範囲が制限されます。
    ・医師個人は、原則として役員報酬を受け取ることになり、役員報酬以外の自
      由 に処分できる資金がなくなります。
    ・社会保険が強制適用となり、役員及び従業員は健康保険・厚生年金に加入し
      な くてはなりません。(一定の手続きにより医師国保を継続することも可能)
    ・法務局に役員変更等の登記や都道府県知事に決算書類の提出が義務づけ
      ら れる など事務手続きが煩雑となります。
  2.税務上の注意点
    ・交際費として経費(損金)に算入できる金額に限度が設けられています。
    ・個人で掛けていた小規模企業共済は、原則として脱退しなくてはなりません。

   以上のようなメリット及び注意点をよく理解したうえで、個人で続けるか
   法人化するか、検討してみてはいかがでしょうか。

投稿者 税理士法人 K&K Japan