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2012年11月26日 月曜日

書面による債務免除に伴う貸倒損失の計上について

おはようございます。
1課の冠です。

今回は、貸倒損失の計上について、中でも、書面による債務免除を行った場合の注意点について、書きたいと思います。
法人税法基本通達で9-6-1には、以下の記載があります。

法人の有する金銭債権について次に掲げる事実が発生した場合には、その金銭債権の額のうち次に掲げる金額は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入する。
・・・(省略)・・・
(4) 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額

しかし、書面による債務免除をすればどんな場合でも認められるという訳ではありません。以下の点にご注意ください。

1.)弁済能力のある債務者に対する債権放棄
書面による債務免除をすれば法律上の金銭債権は消滅しますが、債権放棄した時点で債務者にまだ弁済能力があるとすれば、回収可能な金銭債権の額を、債務者に対して贈与したことになります。したがって、債務者が法人であれば寄付金と認定され、損金不算入の規制を受けます。

2.)債務者の「債務超過の状態が相当期間継続」の判断
「債務超過の状態が相当期間継続」とは、金銭債権の回収不能かどうかを判断するために必要な期間をいうものであり、画一的なものではありません。

3.)債務免除の方法
必ずしも当事者間の協議により締結された契約による必要はなく、債権者たる法人が債務者に対して書面により債務免除の事実を明らかにしていれば足ります。したがって、必ずしも公正証書等の公証力のある書面によることを要しません。内容証明郵便を利用するのが一般的でしょう。

4.)金銭債権の一部免除
債務者の債務超過の状態如何によっては、債務の一部免除をした場合であっても、その免除額が貸倒れとして損金の額に算入される場合もあり得ます。

上記の点を確認し、場合によっては、書面による債務免除を行う前に個別貸倒引当金の計上を検討してみてもよいかもしれません。




投稿者 税理士法人 K&K Japan